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日常の悲喜交交を綴ったわかしょ文庫さんの「ランバダ」シリーズ待望の第三弾。
著者は変幻自在巧みに文体を乗りこなして、自分の過去や周囲と向き合う。文体とはそのためにあったのかと思わせられる一冊。
「自分で壊しておいて不謹慎だし、絶対に誰にも言えないのだがしかし、その残骸はあまりにも美しかった。以前までのプログラムは、その厳しいきまりに従っているがゆえの、整理整頓された機能美があった。だがわたしによってその機能が破壊されたことで、そこには純粋な美があった。音も光もない、死と絶望の世界がそこには見えた。」(「アブラカダブラ」より)
◾️目次
アブラカダブラ
鉄瓶
日輪
こんちゃんの脇
接着剤
台風
魚群
大地くん
1999年のポケモンピンボール
祖父の葬式2.0
あとがき
著:わかしょ文庫 文庫版 97P 並製本 2021年5月刊